子連れ海外移住は増えている?外務省のデータを読み解く

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実際のところ世界にはどれぐらいの日本人家庭が海外に住んでいるのでしょうか?外務省の公表データで調べてみました!

海外に住む日本人は増えているの?

まず、全体を通して海外に住む日本人の数の推移についてみていきたいと思います。これに関しては、外務省が毎年調査を行なっており、「海外在留邦人数調査統計」という形で公表しています。すでに海外在住の方は大使館・領事館からメールで調査への回答が送られてきている方も多いのではないでしょうか。

こちらのデータによると、データが出ている直近10年間(2013年〜2022年)の海外に住む(3ヶ月以上の滞在)日本人数の推移はこちら。

外務省「海外在留邦人数調査統計」より筆者がグラフ作成。以下同じ

このデータは毎年10月1日時点における調査なので、新型コロナのパンデミック直前の2019年10月の141万人まで毎年続けていましたがそれ以降は減少傾向にあります。今の減り方のペースだと2023年はだいたい120万人後半ぐらいでしょうか。

一方、内訳を見てみるとなぜ減っているかの要因が少し見えてきます。

外務省は海外在住邦人の中でも2つに分けて分類しています。それは

  • 長期滞在者=一時的に海外で生活していていずれ日本に戻るつもりの日本人
  • 永住者=永住権を保持しており生活拠点を海外に移した日本人

の2つです。このうち、長期滞在者はコロナ禍を機にガクンと下がっていることがわかります。パンデミック以降、北米でも駐在員ゼロにした支店をそのまま稼働、カナダとアメリカ複数あった拠点を1箇所にまとめる、という話もちらほらと耳にするので、リモートワークなど働き方やビジネスの仕方が変わり「日系企業の海外駐在員」が減ったまま戻らないなどの状況が続いているのかなと推察します。

一方、移住先の「永住権」を取得する日本人はコロナなどの影響もなく、毎年1〜2万人ずつ直近10年間ずっと増え続けています。

こちらに関しては、移住者直接インタビューを朝日新聞が行った連載があるので、有料記事にはなりますが関心ある方はご覧ください。
連載 わたしが日本を出た理由(朝日新聞デジタル)

このデータからは全体の総数としては海外で暮らす日本人は減少傾向にありつつも、永住者は今後も増え続けるということがうかがえると思います。

海外に住む日本人の子どもは増えている?

それでは、「日本人の子ども」で海外移住はどうなっているのかということについて最新データをみていきたいと思います!

…が、外務省がなぜか令和以降就学年齢の子どもたちの人数の公表をやめている…(なぜ…)ということで公表している中で最新の2017年までの推移をみたいと思います。

グラフは「就学別・地域別在留邦人(学齢期)子女数(長期滞在者)」の推移、つまり海外で暮らす日本人の小中学生です。

じわじわと右肩あがりで、10年間で3割弱増えていますね。

こちらもコロナ禍以降は前述したように親の海外駐在が減ることにともない減っていると思いますが、そんな中でも時代を反映しているなと思うのが学校の分類で現地校や・国際校(インターナショナルスクールなど)を選ぶ家庭の割合が増えていことです。補修校は全日制のものではないのでここではおいておいて、2003年(平成15年)には日本人学校に通う子どもの数と現地校に通う子供の数がほぼ同数なのに対し、2017年時点では現地校を選択する家庭が圧倒的に多くなっています。英語教育への親の意識の高まりがじわじわと高まっている様子がうかがえます。



パンデミック以降、大人と同じく子どもの状況も変わっていると思うので最新のデータがぜひ欲しいところですがトレンドを見る限り、現地校やインターナショナルスクールに通う子どもの割合は今後も増えていくものとみられます。外務省が令和以降の就学児たちの詳細データを公表したらすぐに記事にしたいと思います!

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